サラリーマンと読書

読書

読書する人が減っているとニュースで出ていました。かく言う私もサラリーマン時代はあまり読書ができていなかったように思います。時間がないので、せいぜい土日くらいに時間を使って読書するというのが関の山でした。

筆者は半導体エンジニアでしたので、エンジニアとしての専門書は、まだエンジニア(技術者)に成り立ての頃に、業務の発展性を考えてのことやできる仕事を増やすために平日でも勉強していました。しかし、それ以外の読書になると、なかなかサラリーマンの境遇では時間が作れないものです。他に色々やることもありますし。

専門書(工学・自然科学)は勉強にはよいですが、人生を生きていく上での判断材料を得る読書としては足りない気がします。もちろんエンジニアとしての専門性を高めるためにはその道の専門書を読むことは重要です。それでも、人生を生きていく上での判断能力を育むには、専門書だけだと思考が限られて視野が狭くなりがちだと思います。

ある程度サラリーマンを務めて、時間が作れるようになると読書もできるようになると、いろんな本から色々な考え方に触れることができるのは有意義なことだと思うようになりました。本には人生を豊かにする値段以上の価値があることもあります。実際、小説でも登場人物が悩んだこと、解決したことなど、実社会で役に立つこともあります。また、本自体に今抱えている問題の解決策が書かれていることすらあります。あるいは将来問題となりそうなことも。

小説でも何でもよいので、いろんな本に触れることをおすすめします。サラリーマンは、業務に追われてストレスも溜まりがちです。読書は心の洗濯と言われることがありますが、そのストレスも読書で軽減するようです(動画をぼーっと見てみても同じ効果があるとは思えません)。本を読んでいる時に、問題の解決策を思い当たることもあります。解決に至らずとも、小さいことで悩んでいたと心の余裕が生まれるかもしれません。少なくともいろんな本に触れることで、いろんな人の考えを吸収して、判断能力が養われると思います。よく言われることですが、成功者ほど読書などの勉強を怠らず、人生常に勉強を続けているものだと思います。

AI(人工知能)

最近だと読書しなくても、○○GPT(Generative Pre-trained Transformer)などのAIに聞けばよいと言う世情からもしれません。しかし、AIの回答が100%正しいとは限りません(本に書かれていることも絶対に正しいとは限りませんが)。AIは学習が必要で、その学習データ自体が正しいかどうか、AIのアルゴリズムであるニューラルネットワークにも不確定性があります。

ニューラルネットワークは人間の脳におけるニューロンを模したもので、人間に間違いがあるように、ニューラルネットワークのアルゴリズムにも事実と結果が1:1で結び付かない要素が含まれています。試しに、自分が知っている(専門的な)内容をAIに尋ねて見れば、その精度がわかると思います。AIの精度は、学習データ、アルゴリズム、学習のさせ方にも依るでしょうが、8割、9割、そのあたりでしょうか。どんなに優れたAIでも100%にはならないはずです。

AIの学習データも、インターネット上に(無料で)公開されたデータなどでしょうから、有償な情報が書かれた本の内容に比べると劣ると思います。本に書かれている内容が絶対に正しい訳でも、読書した人が100%正しい回答が得られるという訳でもありませんが、本にはその詳細が書かれていたり、読書で養われた判断能力でその情報の正しさや誤りを見抜く目は養われると思います。本の内容は書いた筆者に依っては、考え方がまったく違ったり、まったく逆のことが書かれていることもよくあります(単に専門家の意見が割れている事象なのかもしれませんが)。それでも、自身が生きてきたこれまでの情報からどちらが正しいか判断することはできると思います。情報によって考え方が変わるということがよく言われますので、その判断材料を培うためにも読書が重要です。それに対してAIが答えた回答だけだと、過程がなく結果だけなので、その情報の正しさを判断しようがない部分はあります。AIの弱点は、結果を生み出した過程がブラックボックスで、正しい答えなのか、判断のしようがないという問題があります。

逆に、AIに知りたい内容のおすすめ本を聞くのはよいかもしれません。人では膨大な数の本からずばり知りたい内容の本が探しきれない部分はあり得ます。知りたかった内容と少しずれていても、周辺の知識を得られるという点はあるかもしれませんが。ちなみに、インターネットの検索エンジンもAIの技術です(技術が普及するとAIとは呼ばれなくなるらしい)。

AIが要約した文章を読む、動画投稿サイトの動画を倍速で見る、現代人は忙しいですね。読書はタイパ(タイムパフォーマンス)が悪いなんて思われる人も多いのかもしれません。ストレス社会の中、もう少し心にゆとりを持つようにしてもよいと思います。生き急いでいないのか、読書という人生を振り返える機会を少しでも持ってよいのではと思います。

心に刺さる本に出会えた時は、読書していても読んでいるというより頭に直接流れ込むような感覚を覚え、読書が倍速を超えることもあり得ますが。そんな一冊に出会えた人は読書にはまると思います。

ライター: 有峰行信

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