会社でも「静かな退職」がよく見られていました。「静かな退職」とは、実際の退職行動を起こさず、与えられた仕事だけをこなしてそれ以上のことをしない状況と言われています。時間さえ過ぎれば給料が支払われるので、それでよいという考えですね。自分はぼーっとしているなど退屈してしまい、耐えられませんが。上司は上司で言われたことはやるので、それでよしとしてしまう風潮があります。人手不足で強くは言えない部分もあります。
「静かな退職」をする人は、言われたことはするけど定時が過ぎればすぐ帰るという感じですね(逆に、特に残業するほどでもないけど、残業代が付くから遅くまで残っている人もいるにはいますが、それはそれで問題ですけど)。アルバイトなら言われたことさえやればそれで良いですが、正社員は果たすべき責任含めて高い給料をもらっているのですから言われたことだけするというのは職務を果たしていると言えるのか、怪しいものです。言われたことだけするならアルバイトやパートでよいのですから。大卒以上の正社員など、会社の発展性を期待した仕事、提案を期待して雇っている側面はあると思います。また、上司側も強く言えば、パワハラと言われ、辞められてしまうかもしれず、強くも言えない。査定を厳しく付けても日本企業では給料差が大した差が付かないこともあります。あるいは止められるのを恐れて厳しい査定を付けられない上司もいるでしょう。
「静かな退職」をする人が、会社の将来性、その組織、与えられた仕事内容などに不満を持ち、自身の今後のキャリアを考えて、すでに転職活動を始めているならそれはそれでもよいのかもしれません。元々、そのような状況を作ったのは会社側ということですから。こういう場合はそもそも「静かな退職」とは言わず、積極的な退職なのかもしれませんが。
一方で、単に転職する気もなく会社にしがみ付き、日々、給料さえもらっていればよく、仕事は最低限にするという「静かな退職」は、その時、本人が良くても後々痛い目を見ることを覚悟しておいた方がよいと思います。仕事より家庭が大事ということも分かりますが、私が言うのも何ですがそれを両立すべきだと思います。正社員よりパートや有期契約社員の方がよく働く印象があり、その状況を見ると、考えさせられるところがあります。
「静かな退職」をする人が言われた仕事だけしていると、それ以外の仕事はどうなるのでしょうか? 意外に上司が知らない仕事もあるものです。また、どうせ言っても仕様がないと上司の側も仕事を言うのを躊躇することも起こり得ます。そう言った仕事のしわ寄せは、困ったことに、その上司や仕事ができる同僚の方に行くことも知っておいてほしいものです。「静かな退職」をする人は自分本位で他の人を顧みていないと思います。当然、言われたことしかしない人は、周りの人はそれを知っていますから信用を失うという状況になります。急にやる気を出しても失った信用は急には取り戻せません。リストラが始まれば、真っ先にその対象になるのが「静かな退職」をしている人でしょう。
今は、人手不足(と言うより「人材」不足だと思いますが)で、会社側も解雇できないというジレンマの中にある状況です。一方で、AI(Artificial Intelligence、人工知能)の台頭によりホワイトカラーがリストラされ始め、ブルーカラーが重宝される風潮が出てきています。今のような就職売り手市場がそう長く続くとは限らないように思われます。その時になって「静かな退職」をしていることを後悔しても遅いと思います。
「静かな退職」をしている人は言われたことしかせず、自身で挑戦する仕事をしないので成長が止まっています。一方の真面目に仕事をやっている人は、どんどん成長していきますから、5、10、20年…、その差はどんどん開きます。時間というのは残酷です。
日本企業は、年功序列が多く在籍期間長ければ給料が上がっていきます。しかし、払っている給料に対して能力が見合わないと判断すれば、突然、会社は牙を向くことでしょう。正社員のサラリーマンは労働基準法で守られており、簡単にクビにできないと思っているかもしれませんが、会社側からすれば合法的にクビにする方法をいくらでも知っています。
なお、一番多いサラリーマンが日本経済を支えており、日々行っている一人の仕事内容は小さくとも、その一人一人の働きが今の日本の国力を支えていると言っても過言ではないと思います。もっと真面目に働いている人が報われる社会になると良いと思います。資源のない日本は、勤勉に働く国民こそが最大の資産のような気がします。
ライター: 有峰行信


