近江応報シリーズ ー戦国浅井家三代ー(歴史小説)

著作:有峰行信

壱巻 <亮政編・前編> 概要

時は戦国時代中頃。1490年代、浅井亮政は近江国浅井郡丁野郷の小領主(国人)である浅井家跡取りとして生まれる。北近江では応仁の乱後の余韻も冷めぬ中、守護である京極家家督争いが繰り返されていた。

当時いち早く守護(国主)に京極高清を擁立して、その守護代の座に付いた上坂家信が北近江で台頭していた。上坂家は浅井家含めて北近江の領主らに専横の限りを尽くし圧政を敷くが、誰もこれを止めることができなかった。上坂家に反旗を翻した軍に参陣した亮政の父であったが、謀略に長け戦上手の家信の前に、討ち死にしてしまう。

残された亮政は1520年代に浅井家を継ぎ、上坂家の圧政に堪えながら浅井家の地位を高めてやがて頭角を現していく。やがて時代が変わり再び京極家の家督争いが生じた時、上坂家打倒の連合軍に身を投じていく。

一方の南近江では、亮政最大の宿敵となる六角定頼が守護職を継ぐ。定頼は中央で起きている管領細川家と将軍足利家の争いに関与しながら、室町幕府の軍事的な後ろ盾となって行く。やがて定頼の目は北近江に向き、亮政との対決に繋がっていく。

知謀には長ける亮政であったが、数々の強敵を前に戦の度に敗北を重ねた。それでも、不思議と浅井家の地位を高めて行く。そんな戦に敗れても諦めずに不屈の精神で困難を乗り越えて行った亮政はやがて戦国大名浅井家三代の礎を築いていく物語<前編>。

弐巻 <亮政編・後編> 概要

守護の京極家の家督争いに端を発して、北近江守護代上坂家の圧政に堪えかねた国人衆らは反旗を翻す。近江国浅井郡丁野郷の小領主(国人)である亮政は、有力国人の浅見貞則を盟主として立てて、上坂家を倒し、守護(国主)の京極高清を近江から追放した。

その後、守護として高延、守護代に貞則という新体制が始まるも、やがて貞則も政治を専横するようになる。

貞則から心の離れた国人衆の支持を集めながら、亮政は小谷城を築城して戦の準備を整えると遂に貞則の打倒を目指す。亮政と貞則の戦いは、それぞれが奉じる主君を守護大名京極家における家督争いの様相を兼ねて、北近江の主導権争いへと発展する。

……そして、最大の宿敵となる南近江守護で大大名の六角定頼との戦いがやがて始まる。国力、外交力で優位に立つ定頼は援軍に越前朝倉勢を呼んで亮政を攻め立てる。小谷城を囲まれた浅井家は滅亡の危機を迎える。

圧倒的な兵力差のある定頼との戦いは、知謀には長ける亮政も終始劣勢を余儀なくされる。戦に敗れても諦めずに不屈の精神で困難を乗り越えて行った亮政はやがて戦国大名浅井家三代の礎を築いていく物語。亮政編<後編>完結。

主な登場人物

  • 浅井新三郎亮政:本作の主人公。浅井直種の次男で浅井直政の婿養子。
  • 浅井蔵屋:亮政の正室。浅井惣領家当主・直政の娘。
  • 浅井馨庵(寿松):亮政の側室。尼子氏の出身。
  • 浅井備前守直政:浅井惣領家当主。丁野郷の土豪。蔵屋の父。
  • 浅井明政:蔵屋と亮政の長女である鶴千代の婿養子。田屋家出身。
  • 浅井猿夜叉:亮政と馨庵の男子。後の新九郎久政。
  • 海北善右衛門尉:浅井家家臣。綱親の祖父。
  • 海北綱親:浅井家家臣。浅井三将のひとり。善右衛門尉を継ぐ。
  • 京極中務少補高清:江北(北近江)の守護。居城は上平寺城。政経の弟。
  • 京極治部少補材宗:元江北守護である京極政経の子。
  • 京極高広(高延):高清の実子。六郎。
  • 京極高慶(高佳):吉童子丸。材宗の子で高清の養子。五郎。
  • 上坂治部丞家信:京極家執権で江北の守護代。高清の家臣で今浜城主。
  • 上坂治部丞家信:家信の子でその地位を継ぐ。
  • 下坂与一:浅井直種の娘婿。
  • 浅見対馬守貞則:尾上城、山本山城城主。江北有力国人衆のひとり。
  • 赤尾駿河守教政:伊香郡赤尾の国人衆。清綱の父。
  • 赤尾美作守清綱:浅井家家臣。浅井三将のひとり。
  • 雨森弥兵衛尉:伊香郡雨森の国人衆。
  • 雨森清貞:浅井三将のひとり。弥兵衛尉を継ぐ
  • 六角弾正少弼定頼:江南(南近江)の守護。居城は観音寺城。室町幕府の有力者。
  • 進藤山城守貞治:六角家臣。両藤のひとり。外交担当の重臣。
  • 蒲生藤十郎定秀:六角家臣。後の蒲生氏郷の祖父。
  • 後藤高恒:六角家家臣。後の両藤のひとり後藤賢豊の一族。
  • 松波庄五郎:油屋で、後の西松勘九郎、長井新左衛門尉。
  • 長井新九郎規秀:長井新左衛門尉の息子。後の斎藤利政。
  • 朝倉太郎左衛門尉宗滴(教景):朝倉七代当主孝景の八男。
  • 朝倉弾正左衛門尉孝景:越前守護。十代当主。幕府御供衆。
  • 足利義稙:室町幕府第十代将軍。義材、義尹とも名乗っていた。
  • 足利義澄:室町幕府第十一代将軍。
  • 足利義晴:室町幕府第十二代将軍。
  • 足利義維:晴元が擁立した堺の将軍。
  • 細川右京大夫高国:幕府管領(十二代)。義晴と十二代将軍に擁立。
  • 細川晴元:澄元(九代管領)の子。阿波の大名。義澄の次子・義維を擁立。
  • 三好元長:細川晴元の軍権を掌握する重臣。長慶の父。
  • 本願寺証如:一向衆の当主。蓮如の曾孫。
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